2019年1月19日、ロイター通信によると米カジノ運営MGMリゾーツはブックメーカーブランドである「ラドブロークス」などを持っている英エンテインを買収する計画を撤回しました。
エンテインは事業価値が著しく過小評価されていることに難色を示しており、それに対しMGMはエンテインに修正案を提示する意思はないとして買収を撤回しました。
どのようなニュースなのか、以下に詳しく解説していきます。
目次
米カジノ大手MGM英エンテイン買収を撤回!
米カジノ運営の大手であるMGMリゾーツは、ブックメーカーブランドである「ラドブロークス」などを所有している英エンテイン買収を撤回しました。
MGMは、エンテインに約2週間前に110億ドルでの買収提案を行いました。
しかし、エンテインは事業価値を著しく過小評価されたということで、難色を示しました。
MGMはエンテインに対し修正案を提示する意向はないとし、買収撤回としました。
MGMは、エンテインの買収よりも2018年より両社が共同にて運営しているオンラインの賭博「BetMGM」を更に拡充させていくことが可能になると説明しました。
新型コロナウイルスの影響によりカジノ施設が閉鎖される事態が多くなった中、オンラインカジノサービスの利用は増え続けています。
オンライン賭博拡充により、エンテインを買収しなくても十分な収益を得ることができると、考えています。
アメリカのオンライン賭博の発展
アメリカという国は、ギャンブルとその合法性に対し非常に多様な判断をしています。
アメリカといえば豪華なカジノを想像されるかもしれませんが、それはネバ他州などの一部の州でのカジノ環境です。
ギャンブルは、アメリカでは合法となっています。
各州でその州内での活動を許可や制限する権利があり、州によってはギャンブルは軽犯罪となります。
オンラインギャンブルに対してはいくつかの制限があり、200年初頭以降からはオンラインカジノとゲームに関する法律に継続的な進化が出てきました。
現在は、ほとんどの種類のオンラインカジノゲームは、アメリカ連邦法の下で完全に合法となりました。
しかし、まだ州法ではその判断に大きな違いがあります。
オンラインカジノは違法とみなす州もあり、完全に合法となっている州もあります。
現在オンラインカジノを完全に合法化した州は、ネバ他州、ペンシルベニア州、ニュージャージー州の3州のみとなっています。
アメリカのスポーツべッティングは合法なのか
アメリカではスポーツに賭け事をしているイメージがありますが、スポーツべッティングは合法なのでしょうか。
その答えは「はい」ではありますが、重要なのはプレイヤーが居住している州次第となります。
アメリカ最高裁判所が職業やアマチュアスポーツ保護法を却下したことにより、アメリカでのスポーツベットは違法ではなくなりました。
国境にてスポーツベットを許可するのか規制するのかは、個々の州次第の決定となります。
アメリカ最高裁判所の職業及びアマチュアスポーツ保護法を却下したことにより、多くの州が別途活動を合法化すべく法案の起草を開始しました。
現時点で、スポーツベットは11州で合法となっています。
この中の8つの宗派、2021年はじめてスポーツブックを始めました。
スポーツベットを許可する宗派今後増えていき、42州に達すると予想されています。
アメリカのオンライン賭博の収益
アメリカのオンライン賭博市場は、採用となった新しい規制の影響により過去数年でうなぎ上りに増加しています。
2018年には3億6,650ドルに増加し、この収益はオンラインギャンブルを許可されている3つの州のみの収益です。
2017年と2018年の2年間に上がったオンラインカジノの収益の増加は、24%となっています。
中でもスポーツベットにより生み出された収益が多く、75%増加したと言われています。
アメリカのオンラインカジノユーザーは年々増えてきており、ランドカジノに足を運ぶよりも自宅で自由にカジノを楽しみたいと思う方が増えてきている証拠といえます。
現在新型コロナウイルス感染症の影響により、アメリカのオンラインカジノユーザーは急激に増えてきています。
今後も、家に居ながらカジノが出来る便利さのメリットにより、もっとユーザーが増えて収益が上がるのではと言われています。
アメリカのオンライン賭博の未来には何が期待されるのか
オンラインギャンブルの歴史は長く、浸透するまでには長い時間が費やされてきました。
アメリカの法制度はもっと複雑であり、州により考え方が全く異なります。
ギャンブルに対する見解が進歩している州もあれば、ギャンブルはタブーと昔ながらの考えを崩さない州もあります。
アメリカの全ての州で完全ギャンブルフレンドリーになることは、簡単なようで難しいともいえるかもしれません。
MGM社をはじめ、多くの投資がオンラインカジノ市場に投入されています。
そのため、今後はさらに多くの変化があると言われています。
コロナ禍でランドカジノに行けない人が多い中、自宅に居ながら楽しめるオンラインカジノの需要は今よりももっと増えていくこと間違いないでしょう。
英エンテインを買収せずにオンラインカジノの投資へ転向したMGM社の考えは、間違っていないといえます。