横浜市のIR推進に反対している市民団体「カジノの是非を決める横浜市民の会」は、2020年12月8日横浜市議会の議長などと面会をしてIR誘致の是非を問う住民投票条例の制定を求め増した。
先日行われた署名活動では必要数の3倍もの署名が集まり、直接請求を提出しました。

IR反対団体が横浜市のIR反対の住民投票の実現を横浜市議会に要請したことについて、様々な観点から解説していきます。
目次
住民投票の実現を!IR反対団体が横浜市議会に要請
横浜市のIR推進の反対している市民団体「カジノの是非を決める横浜市民の会」は、2020年12月8日横浜市議会の横山議長と矢田部副議長と面会をし、IR誘致の是非を問う住民投票条例の制定を求めました。
横山議長からは「法律に則っとり審議する」と返答がありました。
また、カジノだけではなく、パチンコなどの公営ギャンブルについての見解などもやり取りをしたと言われています。
11月に同団体が実施した署名活動では、必要数の3倍もの署名が集まりました。
横浜市選挙管理委員会は、署名活動の法定必要数は選挙人名簿登録者数の50分の1である6万2604筆としています。
市民団体は、11月13日に20万8719筆分の署名を提出しております。
審査の結果、19万3193筆が有効筆分と認められました。
3倍もの署名を集めることができた背景には、横浜市民がいかにIR誘致に興味を持っていることがわかります。
今のIR誘致が進んでいる状態を変えたいと思っている、切実な思いの証拠といえます。
署名が今後正式に認められることにより、2021年1月にも住民投票を行うべく条例案が横浜市議会に提出される流れとなります。
住民は横浜市のIR誘致についてどう思っているのか
横浜市民は、横浜市のIR誘致についてどのような意見を持っているのでしょうか。
世論調査では、約7割の横浜市民がIR誘致に反対の意見を示しています。
横浜市民はどのような意見を持っているのか、以下にご紹介致します。
賛成意見
- 作るなら様々な世代が集まって利用できる施設を作ってほしい
- 純粋にカジノをやってみたい
- 賭け事が好きなので興味がある
- 競馬の開催日には綺麗に掃除されていて警備もきちんとされているので、カジノが出来ても治安が悪くなるとは思えない
- ギャンブルはマイナス面だけが報道されてしまうけれど、良くなることもあると思う
反対意見
- 外国資本の企業が豊かになるだけであり横浜市の税収増にはつながらない
- カジノIRを作っても赤字になり、その後の対策を示していないのが不安
- 赤字に対して横浜市は明確な説明をしていない
- 治安が悪くなりそう
- 外国人の犯罪が増える
- 横浜に作る理由がわからなく、外国にあるカジノだけで充分
- 子供がカジノが出来たら行ってみたいと言っているので不安
- 住民の意見を積み上げず進めているので、賛同はできない
- 横浜市の説明が不十分なので賛成できない
- カジノにこだわる必要はない
- カジノ以外で横浜ならではの観光政策を考えてほしい
- 大学でギャンブルに関する講義を受け、反対の気持ちが高まった
賛成意見は、若い方に多くありました。
ギャンブルに興味があり、試しにやってみたいという意見もあり、具体的な賛成意見というのは少なくみられました。
また、反対意見に対して、単なる反対で確かな理由もなく反対している人が多いという声も挙がっています。
しかし、世論調査によると理論立てて反対意見を示している方も多くいます。
意見を比べてみると、反対意見の方は切実な思いを訴えている方が多い傾向があります。
林横浜市長は市民の意見をどう受け取っているのか
横浜市林市長は、想像以上の署名の数に対して、市民の皆さんがIR実現について大変関心があることと心配していることを認識していると言っています。
これらの署名により法令に基づき適切な手続きを進めていくと、述べています。
しかし、林市長は定例会で、カジノで心配される治安や依存症などの問題は解決可能であり、IR誘致は止めるべきではないと語っています。
横浜市民が何度反対の意見を述べても、林市長はIR誘致を進めていく気持ちは変わらないようです。
林横浜市長が横浜にIRを誘致する意見を変えない理由
ここまでの反対意見が横浜市民から出ているのにも関わらず、IR誘致への意見を変えないことには理由があります。
その理由は、市内経済への波及効果が大きいからです。
横浜市が描いている横浜市経済への波及効果は、年間で7,400~9,700憶円とも言われています。
横浜市は将来的な財政難が心配されており、IR誘致により財政難を克服したいのが大きな理由です。
大きな収入が入ってくることで、将来的に安心できる市の運営をしていきたいと思っています。
しかし、横浜市民の多くが反対をしている理由は、IR誘致により住みにくい横浜市となってしまうことです。
現在、魅力的なスポットが多々ある横浜市ですが、IR誘致により横浜市が持つ魅力がなくなってしまうのではと心配しています。

IR誘致には大きなメリットもありますが、同時に多くのデメリットも抱えないといけません。
林市長はメリットばかりを目先に考え、横浜市民にIR誘致のデメリットを多く語らずに進めていこうとしていることも、反対意見が多い理由ともいえます。